~キッチンはシンプルに~

ある日、ショツピングに出かけたジュリエットと私。買い物を終え、ヘレフォード市内のカフェでランチをしていた。するとジュリエットの携帯に娘のハンナから電話が入った。「お母さん、ケーキを作りたいんだけど、型がどこかしら?」 ハンナは当時、実家から車で約2時間離れたところで大学に通うため離れて暮らしていた。自分のフラットのキッチンでは狭いので道具もそろっている実家に来ていたのだ。「あなた今どこに立っているの?あ~そこね、それなら後ろを向いて白い引出しの2段目に入っているわよ。粉と砂糖と量り機はその下の段。」スラスラとえ~っとどこだったっけ?え?ない?じゃぁもう自分で探して!私と母とのありがちな会話はどこにもない。
驚いた私は帰ってキッチンをよく見せてもらうことにした。B&Bとして機能している納屋の方のキッチンは効率よく片付けられている。広さもあるが、すべてが合理的だ。電気ケトルは水がすぐに入れられるように水道の近くに置き、紅茶などのティーバックはその下の引出し。マグカップはその上の棚といった具合に一つの動作をするのに、無駄がない。キッチンの一か所で一つのことが完結できるようになっていた。キッチンの中でも主役なのがオーブン。そのまわりにはオーブン皿、ミトン、オーブンペーパー、などオーブン料理に必要なものがその前に立った瞬間に手を伸ばせば届く範囲できれいに並んでいる。まな板の種類にもびっくりだ。生肉を切るのは赤いまな板、火を通した肉を切るのは黄色、魚はブルー、と色分けされている。色で分けておけば、一目瞭然だし、ジュリエット以外の誰かが使うときもわかりやすい。食材を切る台の下はコンポストビン(堆肥用ごみ箱)になっていて、野菜の切りくずなどは引出しを開ければそこに直接捨てられる。
食器類もとてもシンプル。彼女はピングラバーで特に水玉模様のピンクや花柄は大好きだ。どちらかというと食器に限ってはモダンなものは好みではなく、いかにもイギリスらしいエレガントなものが多い。基本的に食器は色を選ばず飽きのこない白が主で、B&Bの朝食で使う食器や雑貨などは白と黒でまとめている。これにもジュリエットのこだわりがあって、彼女の生まれ育ったこの村はブラック&ホワイトヴィレッジとも呼ばれるほど、昔から伝統ある家々が黒と白で統一されているので、Lowe Farm内も同色でまとめることでそれもお客さんへのおもてなしの心とアプローチの一つなのである。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:07