イギリスの農村に泊まろう!~農村からの女性起業家たち~

私が滞在した2009年4月からの2年間でとても素晴らしい田舎での活躍する女性との出会いがあった。イギリスという国は私にとって人生の一部であり、現在の私を語る上でなくてはならない存在である。
私がイギリスを初めて訪れたのは1999年8月のことだった。その頃の私は大学に毎日通うもなぜか周りの学生やバイト先、私を取り巻く環境に疑問があった。何か嫌というわけでもなくただただ疑問があったのだ。このまま大学に通っていていいのか、社会人になるとは、大人になるとは、そんな疑問が私にもっと世界を見てみたい、もっと色んな人に出会ってみたいとそんな衝動とも言える気持ちが私をイギリスへ向かわせた。

イギリスはバース。ロンドンから西に電車で約2時間足らずのローマ遺跡で有名なお風呂(Bath)の語源ともなったこの地に初めて降り立つ。大学の語学研修だったが、その1か月間の体験が私とイギリスをこんなにも深く結びつけることになるとは、その時は思いもよらなかった。

イギリスで暮らしてみたい。旅行者としてではなく生活者としてこの国に暮らし良い面も悪い面もすべてみてみたい。そんな気持ちからだった。
古いものを大切にする国。家を愛する国。自然に溶け込まない色や物を嫌う国。
イギリスというとロンドンやバーミンガムなど大都市を創造する人たちも多いと思うが、もしイギリスに行く機会があるのであればぜひ田舎を訪れてもらいたいと思う。
おいしい田舎料理、家庭料理があり、人と人とのふれあいを大切にする国。イギリスへの先入観が覆されるであろう。

イギリスで暮らす、その夢がかなった2009年4月。一人イギリスへ旅立った。まわりで結婚、出産と女性としての幸せの階段を上っていく友達の中、29歳で退職し、異国でのゼロからのスタートには勇気がいった。
ロンドンヒースロー空港に降り立つその瞬間、わくわく感がたまらない。飛行機の窓際席から眺める田園風景、小麦畑、少し黄色く色づき始めた菜の花畑の緑と黄色のグラデーションに点々とまばらに建つ古い歴史ある農家たち。イギリスに降り立つときはいつもその表情は違う。それは四季折々の顔であり、時には麦の黄金色、青々と茂った緑、じゃがいもを掘り返したばかりであろうじゃがいも畑の土色。異国なのになぜかノスタルジックな思いにふけさせる。それは日本でいう田園風景と島国が織りなす独特の四季感なのだと思う。そして、そう感じさせてくれることに心から感謝した。
ヒースローを降り立つと友人が迎えに来てくれた。ありがたい。彼女は私の尊敬するイギリスで缶のデザインを手掛ける日本人デザイナー。ロンドンの老舗デパートハロッズや大手スーパーマークス&スペンサーなどで売られるチョコレートやキャンディーなどが入る、お土産ものにも嬉しいあの缶である。彼女の職場はロンドンから西に電車で約3時間の海沿いの街ボーンマスから外れたところにある。何度か訪れさせてもらったが、こんな場所で働けるなんてなんという幸せ者かと思う。もとはマナーハウス(英国貴族の邸宅)だったお屋敷を一部倉庫と事務所に改装したレンガ作りの職場。オフィスに入るとまず犬たちの大歓迎に会う。彼女の同僚たちも自分たちの犬を家から連れてくる。あくせく仕事にふける飼い主をよそに足元で何とも言えぬくつろぎっぷりで、「これが僕たちの仕事なの」と言わんばかりにスヤスヤ昼寝をしている。こんなリラックスしたオフィスからデザインのインスピレーションがわくようだ。
休み時間には少し歩いた同じ敷地内にいる馬たちにあいさつ。友人もたまに人参やりんごなどを持っていき気分転換をしているそうな。こんな豊かな生活と時間のゆっくりとした流れを目の当たりにしてあ~自分もこの国に降り立ったのだと改めて実感と幸せな感謝の気持ちがあふれ出た。
1週間後、友人のもとを後にし私は電車で北へと進んだ。乗り継いで約4時間。ヘレフォードという町へ降り立つ。そこで大きな7人乗りの車をかっこよく乗りこなす一人の女性と再会した。彼女がジュリエットだ。車から降りた彼女は私を大きなハグで迎えてくれた。今では彼女は私のイギリスの母である。のちに彼女は本気で私を養子に迎えることを考えたこともあるくらい私の人生にとってかけがえのない人物となる。
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by yukitosun | 2011-11-04 22:48 | イギリスは田舎が面白い