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大きなお部屋のカギ♪ 昔はワインセラーだったお部屋

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そんな面影はまったくなくおっされ~なお部屋でしたぁ
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カウチまでついちゃって!
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バスタブも猫足でv
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ちゃ~んとこちらもエコでした
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カップはロイヤルアルバートで
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レセプションはこちらで~す☆
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誰が来たのぉ~?!
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by yukitosun | 2011-11-11 18:15 | イギリス Farm Stayのすすめ

~キッチンガーデン~

ここLowe Farmのもう一つの魅力は何と言ってもお庭で育てているオーガニック野菜だ。イギリスでは庭にある畑、家庭菜園のことをキッチンガーデンと呼ぶのだが、これはイギリスではとても盛んだ。特にオーガニックな生活が定着しているイギリスは国民の意識も高く、キッチンガーデンをもつ家庭がとても多い。ガーデニングの盛んな国だけに、観賞用の花だけでなくハーブや野菜を育て、趣味としても人気だ。
イギリスは酪農や畜産が盛んで、Lowe Farmも作っているのは主に大麦、小麦、干し草とウール用の羊とラム肉用の羊、そして近所のじゃがいも農家に農地を貸しているので直接野菜や果物を栽培しているわけではない。以前は農家でありながらスーパーに野菜や果物を買いにいっていたが、ある日本人のお客さんに言われた一言がキッチンガーデンを作るきっかけになったという。
日本では野菜農家や果物農家が多いので、自分たちで食べる野菜もそこから賄えてしまう。その日本人女性も家が農家でやはり自分で家庭菜園もやっていた。ある朝、朝食にでてきたフルーツやトマトをみてジュリエットに「これはここで採れたものですか?」と聞いた。その後も日本人が泊まりに来るたびに同じ質問をされた。それならそうしてしまおう!と庭にクライブとキッチンガーデンを作った。はじめはお客さんに聞いたり、園芸センターで話を聞いたり、本で勉強したりして少しずつ野菜が採れるようになった。今では洋ナシやリンゴなどのフルーツ畑もつくり、夏には採れたてのラズベリーやブルーベリーが並んで、お客さんにも大好評だ。
使用する肥料にも気を配り、台所ででた野菜くずを集めておいて3年寝かしてコンポスト、いわゆる堆肥として使う。今では隣のオーガニックミルクファームから牛糞をもらってきてそれと混ぜたりもしている。
朝食で出される目玉焼きも庭で育てられている鶏の生みたての卵だ。
この鶏たち、ジュリエットはレスキューチキンと呼んでいる。なぜかというと、近くの養鶏場で育てられている鶏たち、一定の卵のサイズ、S・M・Lサイズを保つため大きくなりすぎると食用にまわされてしまう。それを知ったジュリエットはとりあえず25羽をそこからレスキューしてきた。連れてきたときと今では黄身の色や毛づやが全然違うという。最初は自由に放し飼いにされることに抵抗があった鶏たちもジュリエットの「ハロー!レイディーズ!」という掛け声とともに今では元気に走り寄ってくる。
ある朝「またミスターフォックスがきたわ!」とものすごい剣幕でジュリエットが庭から戻ってきた。そう、ミスターフォックスとは野きつねのこと。その日、私たちはきつねから鶏を守るため、かかし人形を作ることにした。「待ってて、今いらない洋服を持ってくるから」と部屋に消えていったジュリエット。持ってきたのはクライブの古着。「いいの?もうクライブ着ないの?」という私の心配をよそにせっせとズボン、Yシャツにわらを詰めていく。顔は枕カバー。そして仕上げに顔を書いて、ネクタイをしめればクライブ2世の出来上がり。ちょうどその時クライブは農業留学をしている息子に会いにアメリカに一人で行っていた。戻ってきて、お気に入りのズボンとYシャツを鶏小屋のそばで見つけることになるとは想像もしなかっただろう。
キッチンガーデンで育つ太陽をいっぱい浴びた野菜と果物、愛情をたっぷりかけられ卵を産むことに感謝されながら育てられた鶏たち、自然な時の流れがここLowe Farmではあるなと感じた。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:28

B&Bの仕事がひと段落したお昼頃、週の2~3回は買い物へ出かける。宿の買い出しや気分転換に色んなお店を見て回るのがジュリエットのストレス解消法だ。いつも彼女が言っていたのが、「他のB&Bに泊まると農家だから別におしゃれしなくてもいいのよとTシャツにジーパンで接客している奥さんがいるけどあれはどうかと思うわ。せっかくこんなにきれいな自然と花に囲まれて、お部屋も使う食器もしっかりとコーディネートしているのだから私自身も失礼のないようにキレイな格好で出るのが当然よ。どんなに前の晩が遅くても朝は必ずシャワーを浴びて、髪を整えて、化粧をするの。私には一応Lowe Farmのユニホームのようなものを自分で決めていて、朝食で飾るテーブルマットやトレイはブラックア&ホワイトで統一しているから、私も黒か白を着るようにしているの。そしてもちろんエプロンもキレイにアイロンをかけてピシっとね!ここは私にとってはオフィスなのよ。会社に行くときに普段着では出勤しないでしょ。だから例え職場が家でも仕事は仕事。そうすることで私自身の気持ちが高まるのよ。」
確かに、どんなにキレイに飾られセンスのいいインテリアと手入れの行き届いた庭からボサボサ頭のテロテロTシャツの女性が出てきたら、その価値が激減してしまうだろう。逆を言ってもそうだ。双方がうまくバランスをとれてこそ、いいモチベーションが保てるものだ。これはB&Bを始める前に銀行勤めをしていた経験からかもしれない。
そして出かける時もそれは同じ。「一歩外を出ても私はLowe Farm B&Bのオーナーとして歩くわ。スーパーでも街へ買い物に行くときもそれは変わらないの。お気に入りの香水をつけて、キレイな洋服をきて、ハイヒールで歩く。背筋はピンとね!出産して帝王切開だったから体系が昔よりずいぶん変わってしまったけど、それでも私は母である前にクライブの妻なの。そして今はB&Bのオーナーよ。看板を背負って歩いているようなものだわ。」と7人乗りのマニュアル車をかっこよく運転しながら話した。そしてこうも付け加えた。「クライブとね、二人で車に乗っていると、よく手をつないでくるの。彼、ああ見えても結構ロマンチックなのよ。私の香りが好きだって言ってくれるの。この間、オランダに行った帰りに免税店でいい香りの香水を見つけたの。クライブは自然派人間で香水があまり好きではないのだけど、その香りならいいって言ってくれたの。それなのに時間がなくて買えなかった。せめてメモしておくべきだったわ。」
結婚して28年、女性として結婚・出産を経てからもこう言える夫婦関係でいたいとそう思った。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:26

イングリッシュジェントルマンという言葉を聞いたことがあるだろう。私はこのジェントルマンたちはイギリス人女性ありきなのではないかと思う。イギリスに来て、何度か経験したカルチャーショック。その中に女性の強さもあった。
Lowe Farm B&B開業当時、クライブはあまり協力的ではなかった。それどころかお客が来てももともと人前に出るのが苦手であいさつすらままならなかった。私も初めて会ったとき、顔が真っ赤になって口下手なイメージが彼に対して強かったのを、今でもよく覚えている。それが2度目に彼に会ったときのえらい成長ぶりに驚いた。イギリスのB&Bでは朝食が必ず付くのだが、イングリッシュブレークファーストといってこれは全国でほぼ同じものが出る。トーストと、卵、焼いたトマトにベーコンとベイクドビーンズ。それにそれぞれのB&Bで工夫して色々なものをつけるのだが、朝起きるとキッチンにクライブがいた。いつも起きてきて、牛乳とスプーン2杯の砂糖の甘いミルクティーを飲んでさっさと鶏に餌をやりに行ってしまうのに、どういうわけかトースターの前を陣取っている。そして大きな丸っこい手で4枚入りのトースターから順番に手際よくパンをひっくり返す。そしてその間にケトルのスイッチを入れ、ポットに紅茶をいれ、お客さんに出しにいく。その間に何やらジュリエットがぶつくさ文句を言っている。「まったくまたお客さんのところで油うってる!一度出たら戻ってきやしない!」。今では農場に働きに行くよりお客さんとの会話が楽しくなってしまっているようで、以前のふさぎがちな彼とは比べものにならないくらいよくしゃべる。にこにこと嬉しそうに戻ってくるクライブに一喝、ジュリエットの檄が飛ぶ。「クライブ!べらべらしゃべってないで。パンが焦げちゃうじゃない!」シュンとした素振りを見せるもちらっと私にベロを出す。ジュリエットもそんなことを言いつつもクライブが手伝ってくれることに嬉しげだ。「クライブ、変わったね。あんなに手伝うようになるなんて、助かっちゃうね!」というと「ユキ、ダンナには愛と教育が必要よ!」と誇らしげに笑みを浮かべた。よく褒め、時には叱り(いつも叱られているようにも思うが)、おいしいご飯とワインを飲ませ、妻はいつもキレイでいること。そしてちゃんと二人でいるときに「愛してるわよ」と感謝の気持ちを表すことが秘訣だそうだ。
「最近わかったことなんだけど、男はね、ワインと一緒。年数が経てば経つほどおいしくなる。熟成されてまろやかになるのよ。」これがジュリエットの格言。なるほどと思う。
クライブは最初、B&Bの仕事に積極的ではなかったが、自分たちで作り上げたB&Bで幸せそうなお客の顔を見、そしてそれによってジュリエットが幸せになっていく姿を見て、徐々に変わっていったそうだ。こんなただっ広い自然の真ん中で、人と会う機会なんて街に出ない限りあまりない。基本的にイギリスの農家のおじさんたちは口下手が多く、シャイなタイプに分類されると私は感じたが、Lowe FarmをB&Bにして、全国からお客さんが来るようなり、今では日本やオーストラリア、エジプトなど世界中から人が集まってくる場所になった。ジュリエットはここヘレフォードにある村から出たことはない。それはクライブと同じだったが、彼女は誰とでも臆せず話ができる。そんな彼女の姿をみて自分も少しずつ話に加わっていった。そして今ではお客さんとの会話が楽しみで、小さな片田舎の村にいながら世界中の話が聞けるんだとまるで世界旅行を楽しんでいるようだった。
Lowe Farmにいた1年間、この二人が喧嘩をしていてクライブが勝ったところをみたことがない。この二人に限らず、基本的にイギリス人夫婦でダンナが喧嘩に勝つ瞬間なんてやってくるのだろうか?とさえ思ってしまう。Lowe Farmにくるお客の中の9割型夫婦かカップルなのだが、見えてくるのは女性に握られた主導権だった。日本の子供たちが‘お父さんとお母さん’と呼ぶのに対して、イギリスでは‘Mum&Dad’’ママとパパ‘とお母さんが先にくるところからもその主導権が顕著だ。イギリス人女性は強い。そして男性の扱い方がうまい。
ある近くの教会で挙げられる結婚式に出席するために泊まりにきた若いイギリス人夫婦。朝、旦那さんがあわてて私のところにアイロンを貸してくれと言ってきた。「彼女が今シャワーを浴びているんだ。急がないと」と焦って自分のネクタイとズボン、そして彼女のワンピースにアイロンをかけ始めた。終わると急いで部屋に戻り、準備が終わって部屋から出てくると彼女をエスコートする。まるでちびまるこちゃんに出てくる花輪君と執事の光景だ。カルチャーショックだった。今でこそ日本も男性が家事を手伝い、女性をたてる場面をみることができるが、私のように亭主関白な父の元で育った私には想像もできない光景だった。
面白かったのが、日本人が来宿するときは決まってどこからともなくジュリエットのレディーファースト講座が始まる。車からの女性の下ろし方、ドアの開け方などなど即席講座を受けた日本の男性諸君。行きはてぶらで荷物を奥さんに運ばせていた人も帰りは奥さんがてぶらだった。講座を受けた皆はびっくりするほど執事、いや、ジェントルマンになって帰っていくのだ。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:17

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イギリスの子育ては日本とはちょっと違う。18歳を過ぎたら一人前の大人としてみなされるため、大学への学費などもアルバイトをして貯めるかローンを組んで卒業後社会人になってから支払うパターンがほとんどだ。
幼少期も子供としてではなく一人の人間として扱われる。生まれたときから子供と両親は同じ部屋には寝ない。これには賛否両論あるが、子供を育てる上で将来社会へ出たときに恥ずかしくないように、特にマナーの面でのしつけが厳しい。
ある友人の家へ遊びに行ったとき、彼女には2歳になる女の子がいるのだがランチをしていると、その子がくちゃくちゃと口を開けたまま噛みだした。すると母親である友人は「やめて!そんなあなたの口の中に入っているものなんて見たくもない!」とそっぽを向いてしまった。これには私も驚いたが、欧米ではこれは食事の席でとても行儀の悪いこととされている。2歳児だろうが、容赦はない。
そして必ず何かお願いごと、頼みごとをするときは「プリーズ(お願いします)」と語尾につけるように口うるさく言われる。日本のように「ママあれ取って~」なんて言おうものなら無視されるか「そのあとになんて言うんだっけ?」と促される。断る時も「ノー・サンキュー」とありがとうを付け加える。
ジュリエットの双子の娘と息子も例外ではなかった。私が初めて出会ったときは二人は22歳だったが、本当にしっかりしていて、自分の道をしっかり持っていた。特に娘のハンナは結婚を前提に付き合っている彼に付き合った当初0歳の女の子がいた。イギリスでは同棲生活は珍しくないので、当然一緒に暮らしていた。大学生の時だった。学業と、実の子ではない子の世話、家事、そして実家の隣のオーガニックのペンキ会社での3人の女の子のベビーシッター。そこに来るには片道2時間かかる。真夜中12時過ぎに帰っていくこともしばしばだった。そして大学に行き、課題を提出し、帰ってくれば赤ちゃんの面倒。はたから見てもとても甲斐甲斐しく気丈にこなしていた。オフの日には乳がん早期発見と治療の促進のための運動のピンクリボンのチャリティーマラソンに参加したり、そのためのトレーニングをしたり、ととにかく母親に似てアクティブだ。
ジュリエットは当時、その子供を引き取ることは大反対で、彼と住むことにも反対していた。しかし娘の意志を尊重し、彼女の人生は彼女が決めること、そのかわり泣き言をいわず、一人の子を面倒みる責任を教えた。そして最後にハンナにこう伝えた。「ハンナ、あなたは一度この家を出たけど、ここはあなたの場所‘Home’にかわりはないの。そしてあなたの母親は世界中で私だけ。どうしてもつらくなったら帰ってらっしゃい。」と。ハンナにとっては口うるさいお母さんでも、いつでも自分のために見守って応援してくれて、人生の先輩として道を示してくれるそんなジュリエットが大好きだと私にいつか語ってくれた。遠くにいても例え自分が過ちを犯しても、ありのままのハンナを愛してくれるお母さんがいるからこそ頑張れるし、負けるもんかと自分の背中を押せる。そしていつでも帰れる家があるからこそ、思う存分自分の夢に向かって生きていけるのだろう。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:15

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合理的に片付けられているのはキッチンだけではなく、その他B&Bのお部屋に使う掃除道具やタオル、バスローブ、お茶セットやその他備品の一つ一つにもジュリエットの工夫が施されている。
「ユキ、ここを見てみて!」とジュリエットが自慢げに開けた一つの扉があった。その扉はボイラー室。
イギリスの家には必ずと言っていいほど、どこかにボイラー室というものがある。言葉の通り、水をタンクにため、それをお湯に温めるボイラーの部屋だ。このタンクに溜められた湯がなくなれば、また水が溜められ再沸される仕組みだ。だから誰かひとりがタンク内の湯を使いきってしまえば、次の人は水を浴びることになる。Lowe Farmやその他B&Bではそれでは困るので、いつでも温かいシャワーを浴びられるようになっているが、このボイラー室の活用法が素晴らしい。見てみると客室に必要なものが一通りすべてそろっている。
天気の悪いイギリスで洗濯物を外で乾かすのは至難の業、なおかつLowe Farmのように個人経営で小規模のB&Bの場合、プロの業者に洗濯を頼むのはコストがかかりすぎる。ましてや洗濯乾燥機を使うには電気代がかかりすぎる。そこでジュリエットが納屋を改造した時にクライブに注文したのが、ボイラー室をそのままタオルやシーツなどがしまえる収納スペースにしてもらうことだった。彼女は洗ったシーツやタオル類は外の別の納屋で干すのだが、雨が続くとなかなか乾かない。そこで半乾きの状態でボイラー室にいれておけば何時間もすれば、ふっくら太陽の下で干したように心地いいものになる。いわば大型の乾燥機だ。バスローブもここに入れて、お客さんがくる直前にお部屋に入れれば、ふわふわのバスローブを着てもらえるし、かなりの収納スペースがあるのでそこに掃除道具や備品類を常備しておけば、掃除と補充が一回で済ますことができる。乾燥機などの無駄なエネルギーを使うことなく、一人ですべてをやらなければいけない超多忙な彼女から生まれたアイデアだった。広い納屋と母屋を行き来する移動の時間をできるだけ短縮し、合理的かつ機能的に隅々まで彼女のアイデアが生きていた。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:11

ある日、ショツピングに出かけたジュリエットと私。買い物を終え、ヘレフォード市内のカフェでランチをしていた。するとジュリエットの携帯に娘のハンナから電話が入った。「お母さん、ケーキを作りたいんだけど、型がどこかしら?」 ハンナは当時、実家から車で約2時間離れたところで大学に通うため離れて暮らしていた。自分のフラットのキッチンでは狭いので道具もそろっている実家に来ていたのだ。「あなた今どこに立っているの?あ~そこね、それなら後ろを向いて白い引出しの2段目に入っているわよ。粉と砂糖と量り機はその下の段。」スラスラとえ~っとどこだったっけ?え?ない?じゃぁもう自分で探して!私と母とのありがちな会話はどこにもない。
驚いた私は帰ってキッチンをよく見せてもらうことにした。B&Bとして機能している納屋の方のキッチンは効率よく片付けられている。広さもあるが、すべてが合理的だ。電気ケトルは水がすぐに入れられるように水道の近くに置き、紅茶などのティーバックはその下の引出し。マグカップはその上の棚といった具合に一つの動作をするのに、無駄がない。キッチンの一か所で一つのことが完結できるようになっていた。キッチンの中でも主役なのがオーブン。そのまわりにはオーブン皿、ミトン、オーブンペーパー、などオーブン料理に必要なものがその前に立った瞬間に手を伸ばせば届く範囲できれいに並んでいる。まな板の種類にもびっくりだ。生肉を切るのは赤いまな板、火を通した肉を切るのは黄色、魚はブルー、と色分けされている。色で分けておけば、一目瞭然だし、ジュリエット以外の誰かが使うときもわかりやすい。食材を切る台の下はコンポストビン(堆肥用ごみ箱)になっていて、野菜の切りくずなどは引出しを開ければそこに直接捨てられる。
食器類もとてもシンプル。彼女はピングラバーで特に水玉模様のピンクや花柄は大好きだ。どちらかというと食器に限ってはモダンなものは好みではなく、いかにもイギリスらしいエレガントなものが多い。基本的に食器は色を選ばず飽きのこない白が主で、B&Bの朝食で使う食器や雑貨などは白と黒でまとめている。これにもジュリエットのこだわりがあって、彼女の生まれ育ったこの村はブラック&ホワイトヴィレッジとも呼ばれるほど、昔から伝統ある家々が黒と白で統一されているので、Lowe Farm内も同色でまとめることでそれもお客さんへのおもてなしの心とアプローチの一つなのである。
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by yukitosun | 2011-11-11 14:07

納屋の改装にあたり、内装はジュリエットの担当で壁はすべてオーガニックのペンキを使用した。Lowe Farmの近所にイギリスで大成功をおさめたこのオーガニックのペンキ。日本でも近年ホルムアルデヒドなどの化学物質によるアレルギーが問題視されていて現在では珪藻土などの自然素材を使った内装が注目を集めている。イギリスはもともとオーガニック意識の高い国、そしてDIYの盛んな国なのでできることはすべて自分たちでやる手前、自然と使われている素材に意識がいくので、どれが安全でそうではないか当然詳しくなる。特に内装は子供も一緒に手伝ったり極力環境や体にやさしいものを使う家庭が増えているようだ。
このペンキ、何と言っても香りが素晴らしい。まるではちみつを思わせる甘い香りでペンキ独特のツンと鼻につくにおいがない。色も豊富でジュリエットはやさしいクリーム色を選んだが、塗ってすぐ乾くので一晩もすれば絵をまた壁にかけられるほどだ。カーテンはジュリエットの大好きな特にイギリス人の家に対する思い入れは熱く、よく「イギリス人は家を城にする」と言われるほどだ。外装からは想像もつかない。玄関を開けて一歩足を踏み入れれば、とても暖かいいわゆるHomeの世界が広がる。居心地がよく、天気の悪いイギリスならではの光をうまく取り入れた窓、自然を愛するがゆえにカーテンやソファーにも葉模様や花柄が使われる。合板のテーブルを見るのは珍しく、だいたいが一枚板の代々受け継がれたダイニングテーブルだったり、年数が経つほど味がでて愛着の湧く家つくりになっている。
ジュリエットは驚くほどフットワークが軽く、やったことのないことでも「ノープロブレム!」と挑戦する。そんな性格も手伝ってか軽く2m以上もある天井も梯子によじ登りDIY用の小さなペンキ用コロコロでひたすら塗っていく。
カーテンやシェードももちろん手作りで、学生の頃からお裁縫や家庭科の成績がよかったせいか、手際よくあっという間に作ってしまう。
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by yukitosun | 2011-11-11 13:49

これはイギリスのことわざで今自分がやろうと努力していることで大きな壁にぶつかって入り口が閉ざされても、いつかまた別のドアが開き、別の道が開けるという意味合いなのだが、ジュリエットは初めての双子の子育て、親の介護、アレルギー発作、そしてそれによる離職。彼女にとっては八方塞がりの状態だった。しかし、このことわざを思い出した彼女は自分にこう言い聞かす。「せっかく家にいる時間が増えたのだから今までやりたくてもできなかった自分の夢をかなえてみよう!」
そして彼女にとっての別のドアを開けた。1998年念願だった朝食付きの宿B&Bをオープンすることになったのだ。
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by yukitosun | 2011-11-11 13:23

イギリスの本屋に行くと以前主流だったトラベルガイドブックとは一風変わったガイドブックを見かけることが多くなった。書店の真ん中に「農家に泊まろう!」とか、「家庭菜園を楽しもう!」とか、ひょっとすると「農家になろう!」なんていう本が特別コーナーを設けられて所せましと並んでいる。イギリスのトラベルガイドブックも元来のホテルや町中心部に位置するB&Bを中心に載せいていた案内本とはテイストの違った、本気でFarm StayやB&Bを楽しみたい人のためのガイドブックや、美しいガーデンが見られる宿や、オーガニックやローカル食材を多く使った体にも環境にも優しい取り組みをしているFarm Stay B&Bやホテルの紹介を専門にしているものもある。

ではなぜそれほどまでにFarm Stayがイギリスで人気なのだろうか?
その理由の一つが家庭的な居心地のよさにあると私は思う。まるで田舎にある実家に帰ってきたように温かく迎えてくれる農家の人たち、それでもしっかりとビジネスとして割り切っているところもあるのでこちらのプライベートを尊重してくれる。冬には大きな暖炉にやわらかい火がともり、その前に犬が寝そべる。センスのいいインテリアで飾られた手入れの行き届いた部屋、自然の中にひっそりと佇むFarm Stayは空気もおいしく、夜はフクロウの鳴き声が聞こえる。外に出れば、満点の星空を望み、朝は鳥のさえずりで目が覚める。静かな時間の流れに疲れもどこかへ行ってしまう。都会で働く者にとっては非日常を味わえるのだ。
イギリスのFarm Stayを泊まり歩いて、気が付いたことがあった。それは宿泊者にビジネスマンが多いことだった。スーツを身にまとい、朝食を食べながら新聞に目を通す。オーナーとはもう顔見知りの人も多い。話を聞くと、すでに1週間はここに泊まっているという。長いときは2週間から1か月も泊まることもあるそうで、1泊から2泊と短い時もあるという。ではなぜ中心街から離れたFarm Stayを彼らはあえて選ぶのだろうか。ここにもFarm Stayの魅力を知る理由があった。
彼らビジネスマンにとって、出張先の中心街に近い宿を取るよりも車でわざわざ30分くらいかけてお気に入りの農家民宿に泊まった方が効率がよい。というのも、仕事のオン・オフがしっかりとれて、雑音の多い街中のホテルに泊まるよりはシンと静まり返った気持ちの切り替えられる場所がここFarm Stayだった。そして働き盛りの彼らにとって大事なのが、食事である。イギリスのFarm Stayは家族経営なので、自分たちも食するものをお客に提供する。作り置きもしない。いつでも新鮮な物を食することができるので、出張先にいながらもまるで自宅から出勤しているように生活できるのだ。
ある日、思い切ってロンドンにある5つ星ホテルに泊まってみたことがあった。もちろん部屋の広さも調度品やサービスに至るまで文句なしだった。ロンドンのホテルではよくある水の出が悪いという問題もクリアし、騒音対策もしっかりされていた。しかし、翌朝、朝食を取りに行った私は驚きをかくせなかった。まず、ウエイターがコーヒーか紅茶のオーダーを取りに来た。コーヒーを注文した私はそのコーヒーを飲むことができなかった。そしてビュッフェ形式だった朝食も作り置きなのでアツアツではない。種類こそ豊富なものの、どうしたらあんなスクランブルエッグができるのだろうかと思ってしまうくらい食感もプルプルしていて色は黄色というよりか白に近い。ソーセージやベーコンも5つ星で期待されるものとは程遠い。これがイギリスはまずいと言われる所以なのか。5つ星ホテルの朝食の質の低さを目の当たりにした。朝食もろくに食べれず、部屋に戻り外出した。しかし、途中で忘れ物に気づき、もう一度ホテルに戻った。部屋に入ると掃除のおばさんたちが部屋を綺麗にしていてくれた。ありがたいと思いながら、バスルームに入ってわが目を疑った。部屋で使うコーヒーカップなどをトイレの洗面台のシンクの中に水を溜めて洗っていた。一泊200ポンド(約26,000円)近くする5つ星ホテルの実情を見た気がした。当たり前のことが当たり前でなくなっていた。
実はこういった高級ホテルのサービス、スタッフの教育が問題になっていて、それらを一から教育し直す特別番組もあるくらいだ。
ところでFarm Stay B&Bの魅力の一つに値段の手ごろさあった。一泊一人約40ポンド(約5200円)と街中の大型ホテルより断然安い。このビジネスマンのように長期滞在の場合は頼めば洗濯もしてもらえるし、アイロンも貸してもらえるので(宿にもよるが)不自由はない。
インターネット環境も整っていて、ほとんどのFarm Stayでは無線LANが通っている。テレビも薄型の液晶テレビが備え付けられ、大自然の中にいながらにして都会と変わらぬ生活ができるのも魅力の一つだ。ビジネスマンにとって、健康的にストレスなく、そして質の高い生活が出張先で送れるのだから、彼らに人気なのも頷けるだろう。
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by yukitosun | 2011-11-04 23:06 | イギリス Farm Stayのすすめ